Love of space 1
「朝倉先生…今日、授業あるんですか??」
水谷先生の言葉に俺は深く頷いた。
「頑張って…ください。」
水谷先生は複雑そうな笑みを浮かべる。
『頑張りますよ。
それより…目の腫れと、この声…どうしましょう…』
学校に来て声を発して俺はあることに気がついた。
それは声が鼻声だと言うこと。
目が腫れて、鼻声って…
自分で泣きました。って言ってるようなものだろ…??
「とりあえず…保冷剤で目を冷やして…
鼻声は…どうしようもないですね。」
水谷先生は可哀想に、とでも言いたそうな顔だ。
『そんな顔しないでくださいよ。
なんか元気なくなるじゃないですか…』
俺は保冷剤を目に当てて、水谷先生に言う。
仕事をしながら俺のほうをチラチラと横目で見る水谷先生。
なんか…よけいに俺が哀れになるじゃないですか…
「朝倉先生こそ、そんな顔しないでください。
さっき、笑ってましたけど…
全然目が笑ってませんでしたよ??
無理して笑う必要なんてないんですから…
悲しいなら悲しい。
それでいいじゃないですか…」
水谷先生は最後に俺に微笑んで職員室を出て行った。
俺も職員室を出ていつものあの場所へ向かった。
零とのたくさんの思い出が残るあの場所へ…