Love of space 1
「今年も朝倉先生の隣でよかったです。
私って人見知りなんですよね…。」
と、言う水谷先生。
決して零の話に触れようとはしない。
まあ…当たり前って言ったら当たり前か。
『何言ってるんですか??
俺と初めて会ったときにお茶に誘ったクセに…。』
と、言って俺は水谷先生を睨む。
「あれ?そんなことありましたっけ。」
水谷先生は惚けたフリ。
ありました。
ありましたよ。
『忘れたふりしてもムダです。』
「いや、本気で忘れました。」
『ウソです。』
と、これを繰り返す俺たち。
周りからみたら変人だろうな。
でも俺は水谷先生に感謝してる。
このバカみたいな言い合いのおかげで零のことを考えずに済んだ。
うん。
これで、よかったんだ。