Love of space 1
『その声は…まさか浩介か??』
浩介、俺の高校の後輩だ。
俺をものすごく慕ってくれていた。
『お久しぶりですね。
秋平先輩。
今から会いに行ってもいいですか?』
『おう!!いいぜ!
住所は…………』
俺は住所を言って電話を切った。
いつこっちに帰って来たんだ??
お前と再会できるなんて思ってもみなかったよ。
浩介はしょっちゅう親と喧嘩をしていた。
その苛々をぶつけるために部室を荒らした浩介。
俺はそんな浩介を殴り飛ばした。
それからなぜか浩介は俺を慕うようになった。
でも、浩介は俺に相談なく上京することを決めた。
そして最後の最後に俺に会いに来た。
『俺、自立します。
先輩、本当にありがとうございました。』
そんな浩介に俺は
『大丈夫だ!頑張ってこい。』
の一言しか声をかけられなかった。
次々に涙が溢れて男が2人向かい合って泣きまくった。
それが、浩介を見た最後になったんだ。