Love of space 1





『その声は…まさか浩介か??』


浩介、俺の高校の後輩だ。


俺をものすごく慕ってくれていた。



『お久しぶりですね。

秋平先輩。


今から会いに行ってもいいですか?』



『おう!!いいぜ!



住所は…………』



俺は住所を言って電話を切った。


いつこっちに帰って来たんだ??


お前と再会できるなんて思ってもみなかったよ。


浩介はしょっちゅう親と喧嘩をしていた。


その苛々をぶつけるために部室を荒らした浩介。


俺はそんな浩介を殴り飛ばした。



それからなぜか浩介は俺を慕うようになった。


でも、浩介は俺に相談なく上京することを決めた。


そして最後の最後に俺に会いに来た。


『俺、自立します。


先輩、本当にありがとうございました。』


そんな浩介に俺は


『大丈夫だ!頑張ってこい。』


の一言しか声をかけられなかった。


次々に涙が溢れて男が2人向かい合って泣きまくった。



それが、浩介を見た最後になったんだ。





< 164 / 251 >

この作品をシェア

pagetop