Love of space 1





『俺…今度教育実習で先輩の学校へ行きます』


一段落笑ったところで急に真面目な顔をして言った浩介。


『ウソ?!まじで??


浩介が教師とか……。』


俺は笑いを堪える。


コイツ、学校でも評判の不良だったのに。


そんな浩介が教師とか…ウケル。



『俺の妹がその学校に通っているんですよ。』


浩介はそう言って俺が出したお茶をすすった。



『…………西城。』


教頭が言った名前を思い出した俺はすべてを把握した。


そうか……。



そうだったんだ。


どうして俺はこんなこと、気づかなかったんだろう??



『西城零。俺の妹です。




………そして先輩の元カノ。』


浩介は俺の目を真っ直ぐに見つめた。


『浩介が零の兄貴か…。




考えもしなかったなぁ。』



俺は浩介から目を逸らした。



だから零はあんなに我慢強いんだ。


あれは兄貴ゆずりの我慢強さだったんだな…。


昔っから何もかも1人で抱え込むクセがあった浩介。


そして同じように何もかも1人で抱え込むクセがある零。



考えてみれば、2人は似てるところがいっぱいあるんだよな…。





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