Love of space 1





『なんかやりたいことは??』


俺は零のほうを見る勇気がなく真っ直ぐ前を見つめる。



「まったくないです。


好きなことも趣味も何も…。


だから将来の夢なんてものないんです。



未来は獣医って言うし、

大和はパティシエって言うし、

海斗も何か夢があるんです。



4人でいつも一緒だった。



なのに3人は何か夢があって私には何もなくて、
置いて行かれてる気がするんです。」


俺は1人の男から教師へと変わり言った


『別にな?

夢があるからって偉い訳じゃないし、


夢がないからって焦る必要はない。


ゆっくり考えればいいんだよ。



高校で夢がなくても大学行って夢が見つかるかもしれない。


それに人それぞれだろ?

藍葉も川北も清水も、


西城とは違う。


3人は夢があったとしても


西城は西城だから。



大丈夫、何も心配することねぇよ。』


俺は零の頭に手を置いた。


この行為は1人の男として。





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