Love of space 1
『俺は、OKしようと思いました。
でも俺は教育実習生としてこの学校に来たワケで、
決して恋愛をしに来たワケじゃない。
そう思ったんです。
だから、
”教育実習が終わるまで待っててほしい”
って言ったんです。
相手の子は笑顔で返してくれました。
でも、次からどんな顔をしてその子と話せばいいのか分かんないんです…。』
…………………。
俺はなんて言っていいか分からなかった。
だって、浩介は俺なんかと違ってしっかり考えていた。
俺は自分から零に告白しちゃって、
付き合っていた。
生徒と教師、という関係なのにも関わらず。
それなのに浩介は相手の子に
”待っててくれ”
だなんて格好いいこと言ってさ。
俺にはとても真似できない。
ってか、相手の子って誰なんだ?
『西城先生、至急職員室にお戻りください。』
俺が口を開こうとした瞬間に放送が入った。
『先輩!!
先輩に話してよかったです!!
じゃっ、行ってきます!!』
浩介はそう言って調理室を出て行った。