Love of space 1
大和が帰ったあと、零と並んで洗い物を始める。
「ねぇ?せんせ…??」
『ん?どしたぁ??』
俺は手を動かしながら顔だけを零のほうに向ける。
「なんか懐かしいなぁーって思わない?」
”懐かしい”
そんな風に振り返られるってことはもう”過去”なんだよな。
『そうだな…。
懐かしい気がするよ。』
そう答えたあとに、俺は付け加えた。
『でも、いい思い出だったよ。』
と。
『西城は…いい思い出だった??』
俺は零の目を見ようとした。
でも零が視線を逸らしたから俺は零の方を向くのをやめた。
「うん。いい思い出だった。」
少しの沈黙のあと、零が答えた。
『なら良かった。』
ホントに良かった。
もし
”最悪な思い出だった”
なんて言われたら、俺はどうしようもないくらい落ち込むところだった。