Love of space 1
「朝倉先生はなんで教師になったんですか?」
他愛もない話をしていると突然切り出した水谷先生。
『へ?教師になった理由ですか?
特に…特にないですね……』
「え?ないんですか…??」
呆気にとられている水谷先生。
『水谷先生はどうして教師になられたんですか?』
「高校のときに出会った先生を見て思ったんです。
あんな風に子どものことに親身になれる教師は格好いいなって。
私もあんな教師になりたいなと思ったんですよね…。」
少し照れながら話す水谷先生。
『そうなんですか…。』
俺はそれだけ言ってコーヒーを1口含む。
「朝倉先生は教えてもらいました?」
『え?何をですか…??』
コーヒーカップをお皿に置いて水谷先生を見つめる。