Love of space 1
『なあ…なんで笑うの??』
俺はわざと真面目な顔をした。
「なんで…って言われても困るよ。」
零はそう言って眉を下げて本当に困ったような顔をした。
『無理して笑うのとかよくないと思うけど?』
零が少し開けたドアを閉めた俺。
そしてイスを引いて零を座らせた。
「無理…無理なんかしてないもん」
イスに座った零は小さな声で呟いた。
『ウソもよくないと思うけど?』
零、今鼻の頭触ってるだろ?
自分では気づいてないかもしれないけど、零がウソつくときのクセだぞ??
「ウソなんかついてないもん。」
零はいっこうに俺の目を見ない。
『なぁ…西城??』
零は顔を上げずに俯いたまま。
ちゃんと、俺の目を見ろよ…。
『西城…?
目、逸らすなよ…』
零は大きく呼吸したあと、顔を上げて俺の目を真っ直ぐに見た。
【ドキドキ ドキドキ】
自分で目を見ろ、と言ったくせにおかしいかもしれないが
俺の胸の鼓動がおかしなくらい加速していっている。