Love of space 1
「どっか行った、って言っても学校にはいるワケだよ。
だって零と垣本の鞄は教室にあったから。
けど、2人の姿が見えないのよ……。」
そこで藍葉は初めて座った。
ただし、床の上に。
座った、という表現より
崩れ落ちた、という表現があっているかもしれない。
「実は、ある噂を聞いたことあるんだ。
垣本…
…零のこと、好きらしい。」
俺は藍葉の言葉を聞いた瞬間、調理室を飛び出した。
いてもたってもいられない、とはこういうことなんだろう。
気づいたら体が勝手に動いていた。
後ろから藍葉の声が聞こえた気がした。
でも、今はお前にかまってられない。
夢での零の涙が頭に思い浮かんだ。
零、どこにいるんだ……。