Love of space 1
『あっ!西城!!
制服のボタン全部つけ直したから。』
車から降りようとした零の背中に声をかける。
「せんせっ!ありがとっ!!」
零は笑顔で答える。
よかった、ボタン付け直してやって。
零が保健室で寝ている間に糸と針を借りて、ボタンを付け直した。
男だけど一応、家庭科の教師だから裁縫は得意なんだよ。
「じゃあまた今度ね!!」
零は俺のほうに振り向くことなく、車を降りた。
『あ…ちょっと待って。』
マンションに入って行こうとした零を呼び止めた。
零、俺はお前に言わなくちゃいけないことがある。
『今から言うことは誰にも言うなよ。』
そう前置きして俺は深呼吸した。
【ドキドキドキ】
胸の高鳴りがヤバイ。
何こんなことで緊張してんだ、俺。