Love of space 1
『卒業生の入場です。』
頭のてっぺんのほうが薄くなってきた教頭が言った。
そうすると音楽がかかり、担任の先生が先頭になって卒業生が入ってきた。
ちなみに副担任の俺と水谷先生は職員用のイスに座っているだけ。
「なんかあっという間でしたよね。」
しみじみと呟いた水谷先生。
『気づいたらもう卒業ですもんね。』
確かに、早かった。
新任でこの学校に来て、零と初めて会った。
で、気づいたら付き合うことになってて、
でも俺の力不足で別れることになっちゃって…。
それでも体育祭でまた付き合うことになった。
「私たちも教師になってもう2年以上経ちましたしね。」
あの、体育祭のときは夢のようだった。
『いろいろありましたよね…。』
俺の誕生日は零の手作り料理を食べた。
あの味、俺は一生忘れない。
そしてクリスマス。
2回目の別れ。
零。
もう俺たちはやり直せないのかな…。
もしかして好きなヤツできちゃったか?
今さら何?
って感じだよな…。
ごめんな、未練がましくて。