Love of space 1
「じゃね、先生!!」
最後に俺のところにいた生徒も帰って行った。
時計を見ると、解散してから20分も経っていた。
『ヤバイ!!』
俺は教室を飛び出した。
どうしようか…。
もし零が調理室に俺より先に行っていて、
俺がいないから帰ってしまった。
なんてことになっていたら…。
俺は今までにないくらいの速さで走った。
【ガラッ】
念のため調理室に鍵をかけていなかった。
だから、もしかしたら、零が先にきていたら、調理室の中にいるかもしれない。
そんな淡い期待を胸に、ドアを開けた。
『………………………』
でも、そこに零の姿はなかった。
やっぱり…零は来ないのか…。