Love of space 1
俺は机に肘をつき目を瞑って零が来るのを待った。
時計の針が動く音だけが調理室に響く。
どうしようもなく、不安だった。
根拠なんてないけど零は来てくれる、
そう信じて俺は1ヶ月、過ごしてきた。
でもここまで来て、諦めかけている俺がいる。
”諦めたらそこで終わり”
昨日の夜、大和からメールがきた。
たった一言、それだけしか書いていなかったけど不思議と勇気が湧いてきた。
生徒に勇気もらうって変な気がするけどな。
そのとき、
【コツ コツ コツ】
誰かがこっちに歩いてくるような音が聞こえた。
手が足が震え出す。
もしかしたら…。
そう思うとドキドキと胸が鳴る。
零じゃなかったら、
どうしよう………。