Love of space 1
―Side 大和―
俺は調理室から出ると
『はぁ~』
と、大きな溜め息をついた。
息が詰まるかと思うくらい緊張してた。
余裕そうな感じで強がっていたけど実は崖っぷちだった。
手にはびっしょり汗かいてたしな…。
”俺、朝倉先生には負けませんよ?”
バカか俺は……。
俺に勝ち目がないことくらい知ってるだろ??
零が誰を見つめているかってことくらい知ってるだろ?
なのにあんな発言してさ…
まあいいかっ!!
どうなるか分かんねぇし、やるだけやってやろうじゃん?!
当たって砕けろ!!
やらずに後悔よりやって後悔だろ!!
頑張れ!俺!!
なんて自分で自分を励ましてみた。
でも本当は涙が出そうだったんだけど。
零…お前に手が届かない俺の辛さ…知らないんだろうな…。
近いうち…お前をビックリさせてやるよ。
待っとけよ、零。
―Side 大和 終―