Love of space 1
『じゃあ俺帰るわぁ~』
清水はつまらなさそうにイスから立ち上がる
「じゃああたしも帰るね
光先生も一緒に行こ」
藍葉に引っ張られるように水谷先生も調理室から出て行った
調理室には俺1人。
いつもなら零にメールして、返信が来るまでは仕事をしていた。
たまには電話もしたりして、何もない調理室にいても楽しかった
でも別れた今、調理室に響く音は俺がキーボードを打つ音だけ。
それがこんなにも寂しいものだと俺は知らなかった。
1人がこんなにも寂しいものだと知らなかった。
零に会いたい…
零と喋りたい…
零に触れたい…
って俺はバカか……。
零のために別れたのに、
俺がこんなんじゃ話しにならないだろ…。
それになんかあれば俺に電話してくるはずだ…
…………いや、それはないか…。
アイツはとにかく我慢強い。
頑張らなくてもいい、と言っても
頑張るし、
無理しなくてもいい、と言っても
無理するし、
そんな零が俺に連絡してくるはずがない。
なんで俺はそんなことに気が付かなかったんだ…。
どうしようもないヤツだよ…俺はさ。