Love of space 1





昼休み、廊下を歩いていると向かいから歩いてくる1人の生徒


20メートルくらい離れてるのに誰か分かる。


なんでこういうときに限って誰もここにいないんだよ



お互いの距離が近づくにつれて胸の高鳴りが大きくなる


すれ違う瞬間、思わず手が出そうになった



それを押さえるために


『こんにちわぁ~』


と、あいさつで誤魔化した



振り向きそうになる俺はまだまだ弱い



そのとき後ろから



「先生…私はまだ先生のこと大好きです」



という声が響いてきた



零…なんでそういうこと言うんだよ…



角を曲がったところで思わず立ち止まってしまった



俺はどうすればいいんだ…??


せっかく好きだという感情を押し殺そうとしてるのに…



どうしてお前はそんなことを言うんだ…??


俺を困らせてどうするんだよ…



零…俺にどうしてほしい??



分からない…。


零が分からない…。



俺自身も分からない…。




恋はこんなにも謎だらけだったのか…??



それすらも分からなくなっていた






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