Love of space 1
第5章
勇気
『これ今日の会議で配ってもらえますか??』
職員室に戻ると山田先生が俺にプリントを差し出した
『はい、分かりました。』
俺はプリントを受け取る
『朝倉先生…ちょっといいですか??』
そこへ
『伊藤先生。』
零の担任の伊藤先生がやって来た
そして目で合図して俺と伊藤先生は職員室を出る
『西城…悲しそうなんです』
人通りの少ない廊下に来ると伊藤先生は口を開いた
『え………………??』
なんでそんなことを俺に言うんだ??
伊藤先生は知らないはずなのに…。
『俺も一度だけ過ちを犯したことがあります。
朝倉先生みたいに。
だから先生の気持ちは痛いほどよく分かります。
相手を苦しめたくない、
傷つけたくない、
1人で悩んで1人で抱え込む。
それは結局、相手を苦しめてることに変わりはないんです。
だから…ちゃんとアイツと話し合って下さい』
伊藤先生には何もかもお見通しなのか…??
『伊藤先生なら…どうしますか??』
人に意見を求めるなんて俺…相当落ちてるよな。