Love of space 1
『あの顔で怒られたら生徒も怯みますよね』
一瞬自分が教師という立場を忘れて
悪いことをした生徒の気分になってしまった
『山田先生は生徒に恐れられてるんですよ??』
伊藤先生はごちそうさま、と言って手を合わせて弁当箱を片づける
『やっぱり…ですか』
分かるな、みんなの気持ち。
『さっ!午後からも頑張りましょう。』
伊藤先生は俺の肩に手を置いて去っていった。
「格好いいですね~」
『げっ…またですか??』
またどこからともなく現れた水谷先生。
「またって失礼な…。
それにしてもあのおじさんくさい笑顔…いいですね」
尊敬の眼差しで伊藤先生の背中を見つめる水谷先生。
『で、何かご用でも??』
「午前中はやけに仲が良かったな、と思いまして」
ニヤッと悪戯っ子のような笑みを浮かべる水谷先生。
『それほどでも。』
俺は作り笑顔を浮かべる
「なんか最近、朝倉先生…生意気になりました??」
なにものですか…水谷先生は!!
俺が生意気だろーが同期だからいいじゃないですかぁ!!
と思いながらも
『気のせいじゃないですか?』
水谷先生の横を通り過ぎた。