空から君へ

「俺、別れるよ」



「お前…変だとは思ってたけど…そこまで…」





俺のほうを見ている優。
だけど俺は校庭を見つめたまま、笑った。

自分への嘲笑





「本気?」



「…本気」



「おい!今、間があったぞ」



「マジで本気。優に頼みたいのは絢のこと」





少し動揺した優。
俺は優に笑いかける。

こんな作り笑い、久々だな





「優は絢が好きだろ?」



「……」



「遠慮すんなって!絢は気づいてないだろうけど、絢は俺と優が好き。自分では俺だけっていうけど、優が離れていったとき壊れそうだった」






絢は気づいていない。
俺と優
2人とも好きだという気持ちに…。

それか、認めたくないだけ





「なんで急にそんな話し…」



「俺、癌だから?」



「はっ…?笑えないな。その冗談」



「冗談?本気だっての」





優は暗い顔をちらつかせる。
あからさまだよな…。





「暗くなんなよ!死ぬ予定はまだねぇし」





おふざけモードの俺に対して、あくまで優は真剣そのもの。
こんなの
笑ってなきゃ堪えられねぇだろ…。




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