空から君へ

闇の中にいた俺なら気づいてる。
なにがいちばんの光か。

だけどその光を閉ざしてしまったら……
俺は
俺じゃなくなる。






「だから、そんな笑い方だったんだな」



「ん?」



「悲しい笑顔。昔のお前」



「確かに久々。絢に出逢って俺の全てが変わった」





闇は追いかけてくる。

俺の大切な物を奪うために。
だったらなくしてしまえばいい。


今の俺には、どんなに小さな光明でも届く
だけど、その小さな光明を見る目も閉ざす。





「絢はまだ一人じゃいけないから、頼むよ」



「絢の気持ちはどうなる?」



「想いは風化する。忘れるよ。それが人間だろ?」



「お前自身の気持ちは?」



「俺はあいつが笑うならそれでいい。俺の役目はここまで。絢との未来を俺に見せてくれ。幸せにしてやって。それが俺の頼み」






涙すら出てこない俺を、
優はどんな気持ちで見つめていた?

俺には分からねぇんだ。






「陽、俺も頼みがある」





決心したような静かな強い瞳で俺を見た。
この目・・・。



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