空から君へ
「核心を突かれたから怒るんだろ?」
「意味わかんねぇよ」
「お前がそこまでバカだと思わなかった。気づかないわけないよな?」
「はっきり言えよ」
「だから、お前なら絢の気持ちが手に取るようにわかるはずだろ。あいつは強がって、『強くなる、大人になる』って言ってる。でもさ、泣いてんだよ。陰で。見えないところで。お前が別れたりしなきゃ、絢は強がる必要なんてなかった」
だいたいわかってきた。
優は、いつも絢のことで怒る。
今回も絢のため。
俺が別れず、病気のことも絢に打ち明けていたら絢はそばで支えた。
俺のそばにいて、陰で泣く必要もなかった。
多分、そう言いたいのだろう。
「いつまで掴んでんだよ…おい」
「…お前」
「絢の気持ち考えろよ!なにが泣かせないためだよ…。どっちにしろ泣くんだよ!だったら、悲しいばっかりじゃないほうがよくないか?」
幸せな未来を見せてほしい。
俺は絢の幸せの道を優に託した。
なのに優は…。
「本当に、俺と絢の幸せな未来が見たいなら、けじめをつけろ。いつまでもうだうだ考えて、引きずるな。」
けじめ…。
絢を本気で諦める……。
あの水色のクマが俺を見ている。
絢と一緒がよかったよな…。
「優」
「お前が決めたことだろ。泣かせたくなくて別れても絢は泣く。あいつは今でも陽を想ってる。俺を好きだといっても…。俺はお前の頼みを自分のため、お前のためきいてる。お前も俺の頼み忘れるなよ」
優の頼み・・・。
忘れかけていた。
俺は自分の意見ばかり押し付けていた。
また、優に教えられた。
ありがとう優