空から君へ
けじめのとき
この――――
幾億の星の中
同じ地球の
同じ国で生まれて
大勢の人の中、出会い恋人になる
大きな奇跡の重なり合い
いつも
目を覚まして想うのは彼女のこと
一億分の絢に出会えた奇跡
それは
死んでもなお、俺の中で生き続ける
“絢…幸せですか？”
もう二度と
絢が俺を想うことはなくても、俺はあいつを想い続ける
ずっと伝えたい
『ありがとう。愛してる』
って言葉はたぶん、『さようなら』よりも悲しい
【絢がずっと笑顔でいられますように 一ノ瀬陽】
絵馬に願いを込める。
俺の願いは絢が笑っていられること。
絢が幸せでいること。
自分の幸せなんていらない。
ただ、大切なあいつの笑顔が見ていたい…。
あいつの願いが俺の願いにだってなる
「今、誰を想ってる？」
ずっと繋がっている空に問いかけた。
返ってくるはずもない答えを求めて…。
絢を諦めることなんて俺にはできない。
もう一度
もう一度だけ、そばにいたい。
いてほしい。
これが俺の思う、俺が幸せになる願い。
「けじめ…」
優の言葉が頭をよぎる。
けじめという言葉。優に伝えなければならないことができた。
