空から君へ
起請
生きることを望まなかった俺に、
生きる意味をおしえてくれた。
そんな
あいつのためにしてやれることを
―――親友に託す。
もう、どんなに頑張っても、俺の体力は限界だった。
日に日に
つらくなっていく。
でも
あいつがいるから…
絢がいるから頑張れる。
「お前がいちばんに信じろ……。俺のチカラをさ」
お前のチカラが俺のチカラになる。
お前の夢が俺の夢。
その夜・・・。
絢と二人で将来を考えていた。
俺と絢の未来予想図。
「陽の夢ってなに?」
「俺の夢は、お前の夢を叶えること」
俺の願いは、絢の願いがかなうこと。
絢の描く未来に俺がいるから
俺は生きる。
闘っているんだ。愛のために。
「絢、今日は家に帰って寝ろ」
「でも…」
「クマできてる。大丈夫だから。」
「…うんっ!じゃあね」
外出期間を終えて、また病院に戻った。
真っ白な天井。
…諦めない。
そう言い聞かせて、人を待つ。
「陽」
「陽くん」
病室のドアが開いた。
明るく高めの声と、なめらかな低い声。
「優、由美…待ちくたびれた」
「その様子じゃあね」
椅子を指さして由美と優を座らせた。
花なんて、ベタな見舞いだな。
少しクスクスと笑っていると、由美が椅子から立った。
「あっ!あたしリンゴむいてくる!」
「由美、お前が食うの?」
「陽くん!」
テンパっている由美に、俺と優は笑った。
ったく、みんな心配しすぎ。