空から君へ
点滴を指さして、笑った。
「大丈夫、今の俺の栄養源だから」
「味しねぇな」
「そう…だよね…」
残念そうに言った由美に、意地悪なまなざしを向ける。
昔から変わらない。
由美、支えてくれてありがとう。
優、たくさんの勇気をありがとう。
「それに、由美がむくと食うとこなくなんじゃん」
「は!?」
「陽に芯でもしゃぶれって?」
「マジ勘弁しろよ~」
真っ赤になる由美。
絢と出会う前……
愛してくれてありがとう。
俺の心を支えて孤独を紛らわしてくれた、明るい笑顔。
「もう!陽くんって本当に変わんないよね!」
「バーカ 変わってたまるかよ」
「なによ!ちょっとかっこよくてモテるからって!」
「おー言うなぁ。しょうがねぇじゃん。顔よく生まれたのは俺のせいじゃねぇもん」
俺の言葉に由美が怒る。
枕がとんできた。
キャッチして笑う。
昔もこうして遊んだっけ?
「ッ本当にモテる人ってヤになる」
「そのモテる男が好きだったのは誰でした?由美さん」
クッションがとんでくる。
なんでも投げんなよ。
急にしんとなった病室。
面会時間内に話さなきゃいけない。俺が託すことを。