空から君へ
沈黙を破るように優が話し出した。
「早いよな。このメンツが仲良くなってもう何十年」
「陸もいたよな」
「懐かしいね」
穏やかな空気が俺たちの間を流れた。
この時間が
続くとよかった。
でも、時間は待ってはくれない。
本当に色々なことがあった。
こうして振り返ると、自分の最低さに改めて気づかされる。
「二人に頼みがある」
「なんでもどうぞ」
「聞けることならね」
俺の真剣な目を見て、二人とも真剣になった。
引き出しから手紙を出した。
白の封筒に5枚。
「俺が死んで、絢が立ち直れなかったら、1年に1枚ずつ渡して」
「なんで5枚?」
「感情なんて人間の遺伝子上、3年もしたら冷めるようになってる。」
優は頷いて、それを受け取った。
1年に1枚。
5年もしたら、忘れてしまうだろう。
俺を想った時間も。
今を生きたことも・・・。
「死ぬなよ」
「ああ」
泣くな。
でも、俺たち3人はこみあげる涙をおさえることができなかった。
「あと…絢のこと気にかけてやって。あいつはあいつなりに強くなろうとしてるみたいでもやっぱりまだ、弱いままだからさ」
これが
俺の託した親友への願い。
どうか、
みんなが幸せになりますように。