空から君へ
そして
また、目が覚めた。
もうわかった。俺は旅立つ…。
ヒステリックに絢が叫んでいる。
絢…
頼むから泣かないでくれよ。
俺、幸せだったから。
後悔・・・ないから。
「…あや…やめろ?……もう充分だよ…」
「陽…?」
もう、いいんだ。
たとえ、近くにいなくても心は近くにあるんだから。
「いくら…医者でもさ……死人は生き返らせれないんだ…」
「なに…言ってるの?…夢叶えるって……」
叶えられない。
そんな目で見るなよ。
俺もさ、生きていたいんだ。でももう、限界だ。
「長い…道のりだった……。」
「…っ…」
「恐れも…悲しみも…苦しみも…孤独も……多い一生だった」
心がなかった。
人間の感情も何もかも・・・。
でも……
言っただろ?
お前に出会って運命さえ変わった気がするって。
「でも…お前がいたから……その…多くに堪えられた…」
「…っ…よう・・・」
どんなにつらくても
空は晴れるし
鳥は鳴くし
明日も来る
「泣くな…笑え……天国で見守る俺に…最高の笑顔が届くようにっ!幸せだった…。ありがとう…。」
生きるってのは
死にかけのものを絶えず自分から突き放していくことなんだ。
だから
俺を突き放していけ。