涙のカケラ
「…美咲、また優人くんを傷つけたみたいね」
「…いえ、俺もいけないんです」
「いいえ、あなたは悪くないわ。美咲ね、病室でずっと優人くんの名前を叫んでた。それで、謝ってたの…優人、ごめんね。って…外に向かってずっと叫んでた…。あなたに聞こえるはずないのにね。
たぶん、今日美咲がいなくなったのは、優人くんへの罪滅ぼしね。
あたしからも謝るわ…。美咲が、あなたを傷つけたみたいでごめんなさい」
…美咲がそんなこと…。美咲は一人で何かを抱えてたんだろう。
俺は、なんて奴なんだ。俺のほうが美咲を傷つけてたと思うな。
いや、絶対そうだ。俺が…。