涙のカケラ
「まぁ、こんな美咲でもよければ話してあげてください」
「はい、もちろんですよ!」
絢香ちゃんって優しいんだな、記憶喪失のあたしと話してくれるなんて…。
と…さっき、あたしの様態を話した人は病室を出て行った。
さっきの人は誰なんだろう?
「絢香ちゃん、あのさっき出て行った人…だれ?」
「ええとね、美咲のお母さんだよ!」
あたしのお母さん?…あたしお母さんまで忘れちゃったの?
「ごめんなさい…あたしが記憶喪失なばかりに…。」
「ううん、大丈夫!美咲が記憶喪失になったならまた友達になればいいだけでしょ?」
と、笑って話す絢香ちゃん。…こんな思いやりのある友達を忘れたんて最低だ。