涙のカケラ
「美咲、ほかに聞きたいことある?」
「うん、いっぱい…。まず優人くんのこと…。」
あたしはさっきからずっと優人くんが気になって仕方がない。
「うふふ…美咲、優人くんまで忘れたの?…あのね、優人くんは美咲の彼氏!」
え?…彼氏?…嘘でしょ?彼氏も忘れてるんだ。記憶喪失でこんなに人を忘れるとは思ってもいなかった。
「彼氏…だったの?…あたし、最低だ」
「ううん、美咲。それは違う、美咲が最低なわけじゃないの。病気が最低なのよ。
安心しなさい?…優人くんは美咲のこと嫌いになったりするやつじゃないから!」
「そうなの?」
でも、あたし優人くんを泣かせた。男の子を泣かせたのに…。