たいせつなモノ
…
あまりにびっくりして
私は何も言う事ができなかった。
「俺どうしたらいいんやろ?
美鈴の事好きやけど
それは友達としてなんか
異性としてなんかわからんねん…」
真剣に悩む進を見ていると
なぜかイライラしてきた。
「そんなん自分で考えや。
好きなんやったら
付き合ったらええやん!」
投げやりにそう言うと
「多輝はそれでいいん?」
と進が聞いてきた。
「は?多輝関係ないやろ。
てか
そんなん自分で考えろ!!」
そう言うと
私は屋上を飛び出した__
このころの私は
自分の事に精一杯で
このイライラが何なのか
進と美鈴が付き合ったらどうなるか
考える余裕もなかった。
まさか
あんな事になるなんて…