たいせつなモノ
キーンコーンカーンコーン





今日は朝から




機嫌が悪かったため




学校が終わるのが




すごく長く感じた。










「はあー。」




ため息をつく私に




「多輝どうしたん?




今日からダンス行けるんやろ?




元気ないやん…」




と、何も知らない美鈴が




話しかけてきた。




イラっときた私は




「元気やし!




じゃあバイバイ。」




顔も見ずにそう言うと




さっさと教室を出て行った。













《なんで進なん?》




《進じゃなくてもいいやろ》






このころの私は




恋をしたことがなかった。




だから




好きになる相手は




自分で選べると思ってた。




進を選んだ美鈴に




裏切られたと思いこんでいた__
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