たいせつなモノ
みんなが踊っている曲を横で聴きながら




空の背中をさすっていると




「たき…あんな?」




と空が話し始めた。




「ん?」




「あんな、そらな、引越しせなアカンかもしれんねん。」




「え!!何でなん?」




「パパの仕事やって。」




「どこ行くん?」




「名古屋。」




その時は名古屋なんてどこにあるか知らなかった。




歩いてせいぜい30分ぐらいの所だと思ってた私は




「ふーん。でも今まで通り一緒にダンスしよな☆」




その時




空はちょっと複雑な顔をしたのを




私は見逃さなかった。
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