たったひとつの愛と笑顔
みんな、一生懸命踊った。声も出した。



練習以上だった。



踊っている最中、直木先輩の方を見た。


ふと、目が合った。



恥ずかしくて、目を何気なくそらした。



もうすぐ、踊りもフィナーレを迎える。


これが終わったら、これが終わっちゃったら。


もう、直木先輩と踊れない。


それを思うと、切なくなって、泣きそうだった。


しかし、ないてはいけない。


そして、


「優勝!?」


という声とともに、青ブロックの踊りは終了した。
最後の決めポーズは太鼓の音とともに空へ消えた。



すべての競技が終わった。


「総合優勝の発表です。1位は黄ブロック、2位は赤ブロック、3位は青ブロック。」



明日香たちの青ブロックは3位だった・・・。



少し、残念だったが、まだ応援合戦がある。



「応援合戦、最優秀賞は・・・。」


明日香は下を向いた。



お願いします。応援合戦で最優秀賞をとれば・・・。


直木先輩が喜んでくれる。



笑顔がみたい。


「青ブロックです。」
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