たったひとつの愛と笑顔
意外だった。



中野君って確か、先輩と付き合ってるんじゃないのかな。



中野君は、走るのが速く、運動神経が人並み外れていた。


結構カッコイイ方だったため、明日香は迷ったが、今の状況では、要君もいるし、断らないとならない。


きーんこーんかーんこーん



ナイス予鈴!?


「またあとでね。今は時間がないし。」



そういって走って1ーA組に向かった。



明日香ははじめて予鈴がたくましく、勇ましいものに思えてきた。



授業は嫌いだけど、今はすごく授業がしたい。



 それから、すべての今日の授業が終わり、部活に向かう。


「ねぇ。明日香、お前、告られたんだろ。やっぱお前、モテるなぁ。」


そうからかってきたのは、翔太だった。



「もぉぉ、何ぃ?でも、その人、興味ないし。」



翔太は明日香の手を握ってきた。


ギュ。


ボッ。


明日香の顔が真っ赤になった。



それもそうだろう。


こんなに真剣な顔をして、見つめられたら。



「俺、あいつみたいに明日香のこと捨てないし、ずっと幸せにするから。」


=明日香のこと・・・好き?



「い・・・いいよ。明日香も好きだから。」



明日香は迷いなく答えた。



嬉しかった。



本当に好きな人に告白されて。



って事は、今まで気づかなかったけど、明日香の好きな人ってやっぱり、翔太だったのか。



でも、明日は、翔太とまともに話せないかもしれない。

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