たったひとつの愛と笑顔
送信。



いつのまにか明日香の目には涙が浮かんでいた。



「おい、お前。何泣いてんだよ。」



「泣いてなんかない。ほら、ちゃんと笑ってるじゃん。」



健二はため息をついた。



「携帯貸せよ。」



健二は、携帯を開くとポチポチっとボタンを押した。



「ほら、お前の手で送信しろ。」



そこには、こう書かれていた。



宛先 翔太

題名 ゴメン。

文章
明日香、嘘ついてた。ゴメン。ホントはこんなつもりじゃなかったのに。今から会えないかな。ゴメン。さっき断ったばかりなのに。お願い。今のこと詳しく話したいの。



「ほら、おせ。送信ボタン。」



ピッ。



送信しました。



「じゃあ、駅前までチャリで送ってやるよ。」



それから、メェルがきた。



受信 翔太


「分かった。駅で待ってる。明日香の話がどんな話でも、俺、お前のこと愛してるから。」

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