たったひとつの愛と笑顔
今日は体育の授業があった。



「今から、フォークダンスをする。では、川上明日香、玉木健二。二人、ペアね。」



は・・・・・・・はい????



やばい。


気まずい。



なんていえばいいのかな。


「前はありがとう。仲直りできたよ。」



「あっそ。」



っと、いいながら、健二は手を差し出した。



「へ???何???」




「何って、フォークダンスだよ。」



フォークダンス???



「忘れてた。フォークダンスだった・・・。」




クスッ。



そう健二が笑った。



その笑顔は、最高の笑顔だった。




「普通、忘れるか???お前、意外と天然なんだなぁ。頭はいいくせに・・・。」




明日香は健二を普通に見ていた。



「な・・。なんだよ。お前、俺の顔になんかついてんのか???」




「ついてないよ。ただ、健二も自然に笑うんだなぁって。」



すると、健二は少し照れていた。




「ほら、もう音楽始まるぞ。」




「♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」



音楽が流れる。



健二とのフォークダンスは楽しかった。



「また、やりたいな。」




「うん。」




これが、周りのみんなから誤解を受けていた。



「明日香って、翔太先輩と別れたんだよね。」



翔太と明日香が別れた????




「え・・・。別れてないよ。なんで???」




「だって、フォークダンスの時、健二といい感じだったじゃん。」


< 46 / 89 >

この作品をシェア

pagetop