たったひとつの愛と笑顔
嘘・・・。誤解だってば。



「あれは、別に仲良くしてないけど。」




「じゃーさ、明日香は翔太先輩と健二とどっちが好きなの???」



聞いている女子の中に、健二のことがものすごく好きな子がいた。



さすがに、健二とは言えないし・・・。って、明日香ってどっちのことが好きなの???



翔太・・・・・・・・・・・???





健二・・・・・・・・・・・???




「翔太の事が好きだよ。普通に付き合ってるし。健二なんか嫌いだから。」



あっ。言いすぎ、明日香。




そこまで、健二のこと嫌いじゃないのに。



「そうだったんだ。やっぱ、翔太先輩かっこいいもんね。」



「うん・・・・。」




どうしてだろう。



明日香、嘘ついてる???

今日は文化祭当日だ。




「明日香チャン。見てみて。これ、健二君からもらったんだよ。」



そういって、自慢してきたのは、小学校のころから健二のことが好きな「下坂 可憐」だった。



可憐は可愛かった。勉強やスポーツは出来る方でもないが、平均ぐらいの普通の子だった。



「可憐ね、健二に告ってみようと思うんだけど、明日香はどう思う???」



どう思うって。別に明日香にそんなこと言わなくてもいいじゃん。



「いいんじゃない???可憐、可愛いし。きっと大丈夫だと思うよ。」



明日香はテンションが落ちた。



なんでなの。明日香、翔太のことが好きだよね。


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