たったひとつの愛と笑顔
可憐。言いすぎたかな。




「ゴメン。」



「私こそ。むきになってゴメン。」




「可憐、やっぱりあきらめるよ。人間ときにはあきらめることも大切っしょ。」




あきらめることも大切。



明日香はあきらめたことなんて・・・。




「うん。いい出会いがあるといいね。」




こうして、可憐はあきらめた。

何でだろう。



なぜ明日香なの???



明日香には、翔太がいるから、それ以上の幸せはいらないはずなのに。



「明日香、今日駅伝の練習があるよね。」




駅伝かぁ。



そういえば、翔太って駅伝の新記録持ってるよね。




「では、今日は3キロ走ります。じゃあ、さっそくタイムはかるよ。」



よぉーい、ドン。


で、みんながいっせいに走り出す。



「あれ、翔太先輩じゃない???」



速くない???




最初っから全速力だし・・・。




「頑張れ、翔太。」



呟きながら走っていた。





「あれ見てよ。あれ、ねぇ明日香。あれ、玉木じゃない???」



え???



「健二???速っ。」



健二は翔太を抜いた。



健二、ヤバイ。

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