たったひとつの愛と笑顔
翔太も負けずと抜き返す。



しかし、健二も・・・。



と、しばらく争いが続いた中、健二が先にゴールラインを踏んだ。



「10分20秒。」



10分20秒・・・。



たしか、翔太の記録って、10分26秒だったはず。



翔太の新記録を破られた。



「翔太、お疲れ。」



明日香は翔太に優しく話しかけた。



「あぁ、くそ。あいつに俺の2年でだした、「10分26」の記録を破られちまった。」




翔太、やっぱりくやしいよね。



「俺、3年なのに。1年に破られちまったよ・・。俺、カッコわりぃな。」



かっこ悪い。



負けるのってカッコ悪いかな。




「かっこ悪くない。全然かっこいいよ。別に翔太が1番じゃなくても明日香、翔太のこと好きだし。」


しかし、翔太は本気でくやしそうだった。



そんな翔太をみて、明日香は何もいえなくなった。


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