たったひとつの愛と笑顔
だって、蛍の顔がめちゃくちゃ怖かったから。


「健二、一緒に帰ろう。」


自転車置き場にやはり健二がいた。


「なんでだよ???なんかあったの???」



「いいから、一緒に帰ろう。翔太とはケンカしたの。」


健二が前、言ってくれた。


「直木先輩と何かあったら、いつでも俺のところにこいよな。」

この言葉、覚えてるよ。

健二と帰っていると、健二が・・・。



「あいつら、直木先輩と七水蛍じゃん。なにやってんだ。あいつら、ゲーセンに入っていったじゃん。行こうぜ。」



2人でゲーセン・・・。最低。浮気者。



「何で行かないといけない△□*@ふ○□ぎゃ*△」


健二は明日香のほっぺをつまんだ。



「お前ら、彼カノなんだから。それに、俺と明日香がせっかく一緒に帰ってるんだから。少しでも一緒にいてぇじゃん。」



うーーーーーーーーーん。



明日香は迷った結果、行く事にした。




「いいよ。でも、隠れていくから。」




「分かったよ。じゃあ、ほら、手。」




つないで中に入ろうとした途端、明日香の足がとまった。


「どうしたんだよ???」





「こ・・・怖い。」




怖いよ。




「何が怖いんだ???」




怖いこと・・・それは・・・。




「翔太と蛍がカップルになってたら、どうしよう。」




健二は鼻で笑った。



「そのときは、俺が明日香の彼氏になってやるって。」



不安・・・。



健二は明日香の手をおもいっきり引っ張って中に入れた。



「明日香、プリクラとろうぜ。」



プリクラ。ゆうとしかとったことがない。


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