たったひとつの愛と笑顔
翔太とはまだだ。



「翔太、プリクラ苦手らしいよ。」




「でも、あれ、七水ととってんじゃん。」




健二の指差す方向には、翔太と蛍が楽しそうにプリをとってる光景が見えた。



信じられなかった。




翔太があんなに嫌がってたプリなのに。




最低最悪。




「明日香、俺、言ってくる。ここで待ってて。」




「何処に???」




「トイレに。」



しかし、健二はトイレには行かなかった。




行って来るではなく、言ってくるだったのを明日香は
知らないまま、プリクラの中で健二を待っていた。



しばらくたつと、健二がもどってきた。



「おかえりぃ。遅かったね。早くとろう???もうお金入れちゃったんだよ。」



しかし、そこにいたのは健二ではなく、翔太だった。



「なんで???」



涙が出た。



びっくりしたせいかな。



さっきまで、蛍といた翔太が明日香の目の前にいた。
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