たったひとつの愛と笑顔
別れたことは、ヒミツにしておいた。





友達にも、健二にも。




いえない。




言ったら、涙でいっぱいになってしまう。




翔太を見ても、目をそらす毎日だった。




「蛍ってさぁ、翔太先輩と付き合ってるらしいよ。」




この噂を聞いたとき、一瞬凍りついた。




久しぶりに翔太と話すことにした。




「翔太。蛍と付き合ってるの???」





「別に。お前には関係ねぇよ。」






関係ない。そうかもしれない。




「明日香は翔太のことが好きだから。翔太が本当に好きな蛍と付き合ってるのならいいけど。明日香は翔太の幸せを願ってるから。」



カッコよく言ったつもりだった。




しかし、涙で溢れた声をしていた。




「お前、まだ俺のことが好きなんだ。」




「当たり前だよ。ってかさ、翔太。明日香に告白した言葉覚えてる???翔太、「明日香を捨てない」って「ずっと幸せにする」って。」




「しょうがねぇじゃねぇか。俺だってお前と別れるのは嫌だよ。」




え・・・???




今、明日香と別れたくないっていった。




「やべぇ、言っちまった。」




「ねぇ???どういうこと???」




それだったら、別れなくても・・。




「俺、成績わりぃーんだ。お前とは違う学年だし、違う学級だから分からないかも知れねぇけど・・・。」




は・・・???


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