たったひとつの愛と笑顔
中野君に翔太のことを話した。




途中で泣きたくなった。




しかし、せっかく健二とのデートだから。



泣いたら、ずっと今日1日翔太のこと考えてしまいそうだから。




何度笑っても。何度泣いても。


わめいても。なげいても。




翔太は戻ってこない。



あの笑顔は、楽しかったあのころは




もう、明日香の手の中にはない。




「別れよう」の一言でここまで何もかも明日香の中から消え去る。



涙目を長い髪でかくしながら、つらいと分かっていながらも、昔の思い出に浸ってしまう。



これは、いつになったら、消えるの?



このもやもや、どうなっちゃうの?

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