たったひとつの愛と笑顔
忘れたいはずなのに。



「明日香。。。今日はどっか泊まって帰るか。」



と、わざと大きな声でいう健二。



「いやだ。」



と、翔太に聞こえるように言った。




「だめだ。ほら、行くぞ。」



手を握られた。



その手を振りほどく。



「やめてよ。触らないで。」



そう言った瞬間、翔太がきた。



「おい、明日香。お前、彼氏に優しくしねぇとだめだろ。」



え??


翔太、知ってるの?



「なんで・・???」



でも、答えてくれなかった。



久しぶりに話せたのに。



前のときと翔太、目が違う。




「なんか、変わったね。」



「俺はなんも変わってねぇよ。」



嘘ばっか。


変わってること、自分が1番分かってるはずだ。



それなのに・・・。



「明日香、行くぞ。」



「先、行ってて。あとから行くから。」



健二にそう告げた。



「ねぇ、翔太。なんで?明日香の嫌いなところ言ってよ。」



理由が知りたい。



「全部だよ。」



「たとえば??」


全部の一言がすごく悲しかった。



「頭いいところ。なんでもできるところ。優しいところ、ちょっとわがままなところが可愛いところ。」



それっていいところじゃんって突っ込むと、翔太は笑っていった。



「お前と別れた理由は、俺と正反対だからだよ。」

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