たったひとつの愛と笑顔
「ねぇ、授業きなよ。」

思い切って、誘ってみることにした。

「授業なんかに行ったら、いじめられるだけだし。」

え!

「やっぱり、いじめられてたんだ。明日香、健二に言ってみる。」

「やめろ。」

ドン。
ユキアは明日香の肩を強く押した。


すると、壁に強く背中を打った。


そんな明日香を見ていたのはユキアではなく、健二だった。


ユキアは健二の殺気を感じ、保健室の奥に避難した。


おびえるように震えているユキアを見て、ちょっと涙が出そうになった。


今まで強引だったユキアの影は、今では少しも残っていなかった。


健二は明日香をゆっくりと支えると、明日香は起き上がれることができた。

しかし、腰がしびれるようにいたい。

「大丈夫か?」

健二の心配した顔が少し怒りのこみ上げた顔に見えた。


「大丈夫だよ。もともと、明日香が悪いし・・・。」
こういえば、健二はユキアに何もしないだろう。


だって、明日香が悪いんだもん。


そりゃあ、言って欲しくないこともあるだろうし。


いじめられたことはないけど、エスカレートするのも嫌だしねぇ。


「いや・・・。お前は悪くない。あいつが悪い。」


「なんで分かるの??明日香が余計なこと言ったからだよ。」


分かるはずない。


「明日香は親切で言っただけだろ??」


何を言ったか知らないはず。


まさか・・聞いてた???


「最低。盗み聞きしてたの??」


「わりぃ・・。でも、ユキアの方が許せなくねぇ?親切で言ってやったのにさぁ、突き飛ばすとかありえねぇし。」


ひどい・・・。


あんたが・・・。

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