スキミー・ストイック【短編】

 いやいやどんだけだよって思われそうだけど、もし会長が悲しそうな表情を見せたらどうしようとか色々考えてしまって。

 …でも、聞いたのはわたしだ。

 覚悟を決めるように息を吐いて、それから深く吸い込んだ。

 ……どんな返事でもちゃんと受け止めよう。

 ゆっくりと会長の双眸を見つめ返すと、予想に反して会長は呆れたような、どこかわたしをバカにしたような顔をしていた。

 あ、れ?

 なんだか思っていたのと真逆な空気に首を傾げる。

 ここからどんよりしょんぼりシリアスムードになるはずじゃ……あれ?

 ひとりどうしたものかと考えあぐねていると、会長から深い深い底なし沼より深い溜息が聞こえた。

 って、底なしより深いってもはや意味がわからないけど。
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