スキミー・ストイック【短編】
「書記……お前はバカか、いやバカだったな知ってた」
「んなっ!わ、わたしは…会長のこと真剣に心配してっ…!」
「……れが、」
「え?」
「俺が指示したんだ、書記以外は生徒会室に入るなと」
それはもう、さらりと。
さすがに来週からは仕事が忙しくなるから呼ぶけどな、と会長は付け足してマグカップを口に運んだ。
………はい?
会長の言葉を理解できずに呆然と立ち尽くしていると、会長が頬杖を突いて小さく笑った。
毒を孕んだ、厭味な笑顔。
わたしの反応を楽しんでいるような、上目遣いの双眸。
癖のある黒髪から顔に落とされる陰影。
その表情に誘われるようにして、わたしの意識が現実に引き戻される。