スキミー・ストイック【短編】
……さて、と。
ひとまずわたしが任されていた書類を全て書き終えたため、ぴりりと張り詰めていた空気を割くような気持ちで声を掛けた。
「会長、」
「コーヒー」
「……はい」
「ミルクは」
「無しで、砂糖は2杯ですよね」
「なんだ。書記のくせに覚えてたか」
……最後の“わたしのくせに”ってのは余計なセリフだ。
カチンときながらも仕方なく席を立ち、わたしは生徒会室に備わっている給湯室に向かった。
わたしが言いたかったことは違うのになー…。
手持ちの仕事が片付いたから少し休憩します、という用意していた定型的な言葉はするんと咽喉の奥に飲み込まれて消えた。