スキミー・ストイック【短編】

 でもこうやって真面目に仕事に取り組んでるところは、少し…カッコいいな、なんて。

 そんなことを思いながら会長ウォッチングに耽っていると、突然会長が顔を上げた所為で思いっきり目が合ってしまった。

 咄嗟に緩んでいた口元を制服の袖で隠す。


「書記、さっきからなに見てんだよ」

「……バレてました?」

「あんなに熱い視線向けられたら誰でもわかる」

「なっ…!」


 言い返そうとしたとき、視界の端でランプの点灯が消えた。

 コーヒーが沸いた合図だ。

 まだなにか言いたそうな顔をしている会長は見なかったことにして、常に生徒会室に置いてある会長愛用のマグカップにコーヒーを注ぐ。

 それから砂糖を2杯、スプーン山盛りで。
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